しつこい便秘にアーユルヴェーダ
日常で便秘に悩まされている女性は、大勢いるのではないでしょうか。
毎日、朝にお通じがあればいいのですが、忙しくバタバタして、ゆっくりトイレにいく時間がないという女性がほとんどだと思います。
朝のチャンスを失うことで、気が付くと2~3日くらい大便が出ないということもしばしば。
それが慢性の便秘に繋がることにもなります。
ひどい状態になると1週間以上出ないことも当たり前になってしまい、便秘薬で無理やり排便を促すという方もいます。
毎日便を出すために、薬を飲むことも日常になり、薬に依存してしまう方もいます。
便秘を普通のことだと思い、過ごしている女性が本当に多くいて、便秘の他に肩こり・腰痛・冷え性・生理痛といった症状のいくつかを抱えたまま、日々過ごしているのです。
昔から「便秘は万病のもと」といわれるように、インドの伝承医学である「アーユルヴェーダ」では、便秘も病気のひとつとして考えられていて、東洋医学でも「未病」として、病気の予備軍とされているほどです。
それほど慢性的な便秘となると、きちんとした対策をとることが大事になるでしょう。
アーユルヴェーダでは、体内から排出される三大老廃物として「大便・尿・汗」があります。
それらの老廃物をきちんと定期的に排泄することが、健康維持には欠かせません。
アーユルヴェーダの古典は、インドのサンスクリット語で書かれていて、便秘のことを「アーナーハ」といいます。
また、アーナーハ(便秘)が原因で出るウィバンダ(固い便)、そのウイバンダを出す身体は、健康ではないと判断されます。
アーユルヴェーダでは、おなじ便秘でも、原因が違うとその対処法も変わります。
<原因がアーマによる便秘>
実際に便秘の原因がもっとも多いのは、食べたものが上手に消化されず、胃腸の働きが悪くなり起こる便秘です。
私たちの日常は常に忙しく、ゆっくり食事を摂ることもままならず、よく噛まずに早食いをすることも原因のひとつです。
アーユルヴェーダでは、食べ物が消化されずに内臓に溜まる食べ物を「アーマ」といいます。
アーマは不純物であり、体外に排出させなくてはなりません。
そのアーマが体内で溜まったときの排便として、ウィバンダ(固い便)になりますが、固いだけでなく、においや色も注意してみることが大事です。
アーマが原因で起きる便秘での対処方法としては
①「消化に良いものを取る」
アーユルヴェーダでは、消化のよい「ギー」という油があります。
バターから不順物を取り除いたもので、日本では、よく「すかしバター」とも言われます。
ティースプーン1杯のギーを白湯や純正ココア、ホットミルクに入れて飲むのもおすすめです。
胃腸が疲れたときは、おかゆの中に入れても美味しいです。
②「冷たいものは控える」
とにかく、日本人は、冷たいものを平気でとります。
氷の入ったジュース
③「一口で30回は咀嚼(良く噛む)」
<ヴァータ過多による便秘>
アーユルヴェーダでは、3つの性質<ヴァータ(風)・ピッタ(火)・カファ(水)>それぞれの割合で、ひとりひとりの体質を判断します。
3つ性質(ドーシャ)のすべてがバランス良くある状態を「トリドーシャ」と呼びます。
また、体質は子供のころと大人の今の両方を診ながら、その人の体質を診ます。
詳しく診断したい方は、当院のHPの「施術メニュー」の「ドーシャ・チェック<体質診断>」をご参照ください。
おおよそのあなたの体質がわかります。
きちんとした診断を望む方は、初診のときに診断いたします。
診断の結果、ヴァータ(風)が多い方は、便秘をしやすいときがあります。
それは、ヴァータが多いと冷え性で、もともと乾燥体質ですので、体内での水分が不足しがちです。
こまめな水分補給をしましょう。
とっくに寒い時に水でなくお茶をとることで、水分だと思っている方も多いですが、お茶だけでなく、しっかりと水分をとることが大事です。
常温の水もしくは白湯もよいでしょう。
便の成分の70%くらいは水分ですので、水が不足することで便秘につながることがあり、もともとヴァータ体質の人は、体内の水分が少ないので、1日に1.5ℓくらいの水分をとるように心がけましょう。
朝の起きがけにコップ1杯の水をとる習慣にするだけでも改善するという方も割といます。
体の仕組みを考えると、すぐに効果のでるときと出ないときがありますので、良かったら3日間はチャレンジしてみてください。
その水があなたの心と体を作ります。
<デトックスの教え>
現代医学では、悪いところはクスリを飲むことで改善へ促し、必要な栄養を取りましょうと、セプリメントを与えられたりします。
それとは逆に、アーユルヴェーダでは「まずは体の毒素を排出させましょう」とデトックスを促されます。
それが、現代医学とアーユルヴェーダとの大きな違いです。
インドでアーユルヴェーダを受けるときは、アーユルヴェーダ病院で受けるので、ドクターの診断が必要です。
患者さんに問診して、脈診もしますので、病気でもみなが同じ薬を飲むのではなく、一人ひとり症状によって対処法も違います。
その人に必要な処方箋(パンチャカルマ)を行ないます。
アーユルヴェーダの治療は、現代医学の足す治療ではなく「引く治療」から行います。
インドでは、アーユルヴェーダの施術を受けたあとに、ハーブで作られた薬をドリンクでいただきました。
それは全然美味しいものではありませんが、そのあと腸がすべてキレイになったようなスッキリ感でした。
下剤のようになものだと言っていましたが、本当に便秘がちな私が久しぶりに出せた感覚でした。
私のように、日常が変わるだけで、便秘になるという方も多くいます。
旅行へ行ったときや仕事や家事がいつもより忙しくかった、緊張したり、寝不足だったりするだけで、便秘になり体調を崩してしまいがちです。
そんな方こそ、アーユルヴェーダで全身デトックスマッサージすると、腸も活動してスッキリできることも。
施術を受けるだけで、体の循環もよくなりポカポカしてきます。
さまざまな不調にもアーユルヴェーダを体験するだけでスッキリです。